くう・ねる・のぐそ

「のぐそ論」はここ数年で最も衝撃だった価値観だったかもしれない。感激したりだとか強く共感する事は良くあっても、それは自分の考えと似た内容であったりする場合が多い。しかし、「人間が作り出す最高のものは「のぐそ」だという信念」はちょっと異質であった。どう異質であったかと言えば、こんなに身近にあるのに今まで考えも及ばないことであったから。さらに、考えも及ばなかったのに、これだけ納得して全面的に賛同できるという非常に希有な事だったからだ。

そんなのぐそ論がどんな内容かは「人間が作り出す最高のものは「のぐそ」だという信念」というエントリーを読んで頂ければ分かると思う。

先日の伊沢さんの講演会で「くうねるのぐそ」という著書を購入して、早速読んでみた。この本からはウンコに対する伊沢さんの強い信念が伝わってきた。講演会でお聴きした内容が順番に書かれたのが本の構成だ。伊沢さんが野糞を始めてからの35年間の日々がそのまま表現されている。大半の人が感じるのと同様に伊沢さんも羞恥心を抱き、自分がノグソをしていることを公表する事が恥ずかしかった時代の事や、下痢の時の苦労話など読んでいて親しみを持てる。一方で自然の循環を考えると、ウンコを自然に返すのが最も理にかなっているという信念を貫くところは非常に尊敬する。

講演会でうかがった伊沢ノグソ論を復習するには良い一冊だった。

しかし、ウンコに親しみを持っていない日本の99%の人はこの本を読むと拒否反応を示してしまうかもしれない。ウンコは汚いものだと思い込んでいる人に、ノグソをしてそのノグソがどのように分解しているかを徹底的に調べ、分解状態を確かめるために味を確かめてしまう伊沢さんは到底理解しがたいのは不思議ではない。

そこで、まず伊沢さんの講演会を聴いた方がいいだろうと思う。伊沢さんの話しはシリアスすぎることなく、笑いを誘いながら、ノグソ論の核心へと導いて行く非常に良く出来た構成だからだ。話しを聞きスライドを見ている間に、その考えがすんなりと自分の中に入ってくるだろう。まずは、講演会でウンコに対する今までの考えを捨て理解を踏まえた上で、この本を読み伊沢さんのウンコ論を復習するのがいいと思う。

もちろん、このブログを読んでノグソについてすぐに知りたくなってしまった野性的かつチャレンジャーな方は、すぐにこの本を読んでみてください。目からウロコじゃなくて目からウンコな話しの連続です(笑

送信者 登山

2 thoughts on “くう・ねる・のぐそ

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