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June 05, 2005

夢を見すぎた無人島

瀬戸内海の島へ行ってきました。そこの島は無人。

無人島という響きが呼び起こす感情は、なんとも表現しがたい未知へのワクワク感と不安。人間は群れて生活する傾向があります。群れるというか、人は一人で生活できないといいますが、それよりも人は集団で生活しやすいから群れるのだと思います。それがコミュニティであり、国であり。民族であり、言語である。人と人がいることによって、生まれる会話、またそこから生まれるアイディア。そしてアイディアが実行される。そんなことが繰り返されよりすみやすい町になってくる。

だから、無人になった場所に長期間住む人は少ない。人が住んでいないということは、生活をするのに必要な前提条件がすべてないということなんであって、、それを実感しました。

島へは東京から神戸までバスを使い、そこから電車に乗って、さらにバスに乗って船乗り場へ。まあ、船乗り場といっても、そんなたいそうなとこじゃなくて漁船が集まっているところ。こんな小さな船に乗るのは中学2年以来?小さな漁船にはいい思い出がなかった。この中二のときに思いっきり酔っ払った。だが、今回はまったくそんなことなかった。自分もいろいろな経験をして強くなったなあと、あのスペインのグエル公園で感じたときと同じ感情がふつふつと込みあがってきた。まあ、その漁船は風を切り水を切り走った。心地よかった。日差しを浴びながら、僕たちだけを乗せた漁船が走る。そして、人生何度目かの瀬戸大橋。一回目は四国へ行くときに渡り、二回目は大阪から九州でフェリーへ行くときに下をくぐり、今回は漁船でくぐる。なんか壮観であった。さらに、この渡船のおっちゃんもいい味だった。しゃべり方といい、焼けた肌といい。何日もおるんやってなぁー。って笑顔で。きいつけーや。と。なんか、こういう何気ない会話が非常にうれしく感じる。

まもなく、島に。これが島だ。という感じ。やっとついたよ。このときは晴れていたし、多くの人が想像するような無人島だった。船から一歩下りると、とうとうきたなという感じ。どんな生活が待っているんだろう。

それから、荷物を置き島を見て回ることにした。島全体を確認することと、寝る場所の確保が主な目的だ。砂浜はふかふかしており歩きにくかった。人が歩いていないので、砂が詰まっていないのだ。海岸からの距離、砂のきれいさ、周りにあるもの、風が直接当たらないかなどを踏まえ寝場所決めが行われた。そして、そこに簡易テントみたいな住居を作る。まあ、これも結構時間はかかったのだが、できて実際に寝てみると坂だった。でこぼこだった。たいして、でこぼこにも見えないのに、実際に横になるとでこぼこだ。そこで、砂を足らないところに増したり、坂で砂がありすぎるところからは砂を出した。スコップなんてないから手と流木で。これに時間がかかった。まあ、これだけやってもでこぼこで、寝づらく、おきると体の節々が痛く、間接・筋肉痛になった。衣食住というが、その住がある程度めどがついたので、次は食だ。魚を取る網を持参した。お魚キラー(スプリングアナゴかご)というもの。これを仕掛ける準備だ。正直つりの経験は皆無に近い。つりには何度か行ったが一回もつったことがない。。。まあ、それでもやりゃなきゃならない。紐とかごを結ぶ。そもそもどういう状態でかごを設置すれば魚が取れるかもわからない。考えるのみである。さらに、紐とかごをどれくらいの強さで結ぶかもわからない。波によって紐がほどけてしまうのかもわからない。紐をどれぐらいの木にくくりつければいいのかも。。。まあ、その辺は適当に。木に結びつけた。はじめはちょっと不安でかごに2箇所結んだ。そして、海にかごを設置。そろそろ暗くなり始め、人間は寝静まる時間だ。
しかし、それから、満潮干潮が気になる気になる。かごを設置しているときに潮が満ちてきたように感じた。迫ってくる。

夜寝転がりながら星を見ていると、波の音が島の森に反射してすごく近くに感じる。いったい満潮の時にはどこまで迫ってくるのか?自分たちの住処まで海水で覆われるのではないか?と本気で心配に。そこで、住処の周りを掘り出す。溝を作って、波の衝撃を抑え、溝の後ろに山を作ろうという作戦。真っ暗なんだけど、ひたすら流木で掘った。掘った。砂の濡れ具合と、物が打ち上げられているラインを確認してたぶん大丈夫だと自分たちを納得させた。

そのあと、寝ながら星を眺めた。一番星を見つけた。二番星も、三番星も、四番星も。星はいきいきと輝いていた。きれいな星を見るのも久しぶりだ。一番初めに星がこんなにもたくさんあるんだと、心のそこから衝撃を食らったのは、小学生のころフェリーで大阪から九州へ行くときだ。あの時、瀬戸大橋をくぐったのだ。星の思い出は以前のエントリー。そんなこんなで夜は過ぎた。

異様に夢を見た。体の節々が痛かった。波の音が迫ってくるように聞こえ何度もおきた。簡易テントの中はなぜか水滴でいっぱい。雨かと思ったがちがった。理由はわからず。まあ、横になればすぐ眠れたが、すぐおきてしまった。

次の日。朝は早く訪れた。

人が住んでいないということは、生活をするのに必要な前提条件がすべてないということなんだな、と実感しました。

強い雨と風、岩で足を怪我、ほとんど物を食べられない日々、海に浮かんでいるセロファンみたいな海藻?を食べ、一回だけアナゴが取れ喜び、満潮にビビリひたすら溝を堀り、夜は8時に暗くなり一番星を見つけた日々でした。

本州に戻り食事をしたときのうまさとありがたさ。

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