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October 14, 2005

思い出のオレンジ色のジャンバー

あのジャンバーに詰め込まれた旅の思い出

今回の南米旅行で忘れてはならないものがあったのに、書き忘れていた。オレンジ色のジャンバーだ。それはペルーのリマでもらったものだった。ペルーの旅を終える人から譲り受けたものだった。ここより南は寒いからと。その彼も譲り受けたものだった。もとはといえば、ペルーに薄着できた女性が、リマでオレンジ色のジャンバーを買ったらしい。その女性はペルーを去るときに、ジャンバーを譲ったらしい。すなわち僕が3代目だ。

女の人リマで購入→男の人ペルーを一週→俺

こんな感じだ。ペルーの南の地域は想像しているよりも冷える。そこで、みんな洋服を買い足すのだ。僕も、アルパカのセーター、手袋、帽子、股引と買った。なんせ寒いのだ。このジャンバーはどこを旅したか知らない。しかし、このオレンジ色のジャンバーには人それぞれの旅の思い出が詰まっているのだ。なんていったって、洗っていないから本当に染み付いているのだ。笑。

このジャンバーにはずいぶん助けられた。ラパスからポトシへの夜行バスで。かなり暖かいジャンバーだった。股引を持っていなかったこのときは、足にジャンバーをかけて救われた。それに毎日のようにこのジャンバーを着て寝ていた。

僕はこのジャンバーと共にリマからペルーを、ボリビアを、チリを、そしてまたボリビアを旅した。そんな思い出の詰まったジャンバーだった。昼間の日差しが強い時は正直邪魔な時もあった。もらい物だし、捨てようかと思ったこともあった。でも捨てることはなかった。そして旅を終えるとき僕も受け渡した。このジャンバーは今後もいろいろな人の手に渡っていくだろう。だって、僕も譲り受ける時どんな人から譲り受けたか聞いたし、僕が次に譲る時も今までのジャンバーの旅を語ったからだ。ジャンバーに自分の名前と国名とメールアドレスを書いて渡そうかと思った。今後、着た人が名前を書いていったらなんか面白いかなと思って。そして、このジャンバーが今世界中のどこを旅しているかが分かったら面白いと思った。これを着て旅した人だけが入るメーリングリストなんかを作って、現在来ている人が旅の報告をMLにしたら面白そうと思って。

でも、やめた。確かに面白そう。でもなんか旅って、偶然性とかあまりがっちり縛られない思い出が楽しいと思ったから。人の名前が書いてあると、来て旅する人にとって精神的な重荷になるだろうから。文字よりも、なんとなく言葉でジャンバーの旅を聞いたほうがワクワクしそうだし。

だから、そのままラパスで次の人に渡した。もともと女性用のジャンバーでサイズが小さいのでこれから南下する女の人に、今までのジャンバーの旅だけ話して渡した。その人はベネズエラから入って、ボリビアをさらに南下してウユニに行き、1ヵ月後ぐらいにリマから国に戻るといっていた。だから、まだこのジャンバーは南米を旅しているるんだとおもう。

あのジャンバーは今、どんな旅をして、何を見ているのだろうか。

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