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April 16, 2006

表現できない感情が湧き上がった

うれしいのだろうか。
共感したのだろうか。
つらさを感じられたのだろうか。
寂しいのだろうか。
自分の小ささを知ったのだろうか。
人間の偉大さを知ったのだろうか。
自然の偉大さを再認識したのだろうか。

全身にサブいぼがでたのだけは事実だ。

あれは半年前ぐらい。
昨年の9月だった。
ボリビアの首都ラパスで、同じ宿に泊まったチャリダー3人がいた。
チャリダーとは自転車で世界を旅する人のこと。
今までの旅ではチャリダーとこんなに会うことはなかったし、あんなに語り合ったこともなかった。

ラパスにはあまりいる予定はなかったが、彼らがいたので僕は自然と長居した。みんな南米の最南端まで行くことを目指していた。一人は僕より1,2歳上でエクアドルから自転車で来ていた。かれは1,2ヶ月前に見事に走りきった。もう一人はユーラシア大陸をヒッチで旅し、オーストラリアを自転車でまわり、南米を自転車で旅していた人。彼はアルゼンチンで襲われて、帰国している。そして、最後の一人が今回アメリカ大陸最南端ラパタイアへゴールした。アラスカから南米の最南端ラパタイアまで、日数980日、走行距離28,640kmだったようだ。旅の終わりは旅の始まり。と。最終目的の日本を目指すために、彼はまた旅に出るようだ。

僕よりも年は10歳ちょっと上。人間的にも尊敬できる。さらに天才系のオーラが出ていた。話していても経験に基づいたいろいろな話。さらに、深い考えがあり、個人的に心踊る人だった。そんな方だ。ラパスでは一緒に飯に連れてってもらったり、ボリビア飯について旨いまずいを話したりと。
僕がラパスから飛行機で帰る日、宿を夜中の4時過ぎに出ないといけなかった。すると、さりげなくチャリダー3人は僕が宿を後にするまで話しながら付き合ってくれた。本当にうれしかったし、最後に握手をして別れたときのことは死ぬまで忘れないと思う。その時、衛星で流れていたNHKでは野口健が話していた。みんな、見入っていた。

あの時のことが思い出される。あの時、同じ場所にいて何日間か過ごした。そんな時を共有した人が、こういったことをしたと知ると何か特別な感情を抱く。もし、ラパスで出会っていなければ、この出来事を知ったとしてもこの感情にはならなかったことだけは事実だろう。


チャリで世界を旅するということは、電車やバスを使うたびとは全く違う。東京から名古屋まで歩いた時に感じたが、その大変さは普通のたびの比ではない。それを3年にわたってやり遂げた。それも、アラスカから南米最南端ラパタイアだ。バスで行くにしても、電車で行くにしても、飛行機で行くにしたってかなりの時間がかかる。それを自らの力のみで。あの時、見せてもらった写真や、旅の話。そして周りの人がいて旅が出来るといっていた。助けられていると。本当にそうだろう。でも、やりきったのは本人であることもまた事実だ。

日本には目立たなくても、こんな男が何人もいるのだ。
これが侍ってやつなのかもしれない。


本当にいろいろな人に出会った。旅を通してもだし、それ以外でも。
大雑把に言ってしまえば人と出会うことは偶然である。
そんな出会った人には特別な感情を抱く。

生きていて心のそこから幸せを感じる時やワクワクする時は「偶然と人」が常にそこにある気がする。

アメリカ大陸縦断ほんとうにおめでとうございます。

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