夜、谷中墓地を歩いていると目の前を一筋の流れ星が流れていった。
今までは流れ星を見ようとしてみていた。
それが、ただ歩いているときに目に入ってきた。
歩きながら見た流れ星。
流れ星が僕の日常に入ってきた感じを覚えて、うれしかった。
いつも思うことがある。流れ星は幻想のようだと。
流れ星を見たあと見たかどうかあやしいのだ。
爆発するのが見え、目に焼きつくようなよっぽど明るい流れ星は別だが、普通の流れ星は見た後見たかどうかが怪しい。そんな気になってしまうことが多い。今は現実だったのか、おれは本当に流れ星を見たのだろうか。
でも、そんな気持ちにさせてくれるのが流れ星の粋なところなんだろう。