相変わらず、何冊かの本を同時並行に読むくせがある。今も、数冊の本が交互に読んでいる。たまに、一気に読みきることもあるが、それのほうがまれな気がする。
で、他の本も読みかけなのに、長い旅の途上という星野道夫さんの本を読み始めた。やはり、星野さんの文章はいい。なんというか、やわらかい。すべてを包み込むような文章だ。
まだ、本当に読み始めたばかりだが、早速気になる文があった。
「人の一生には、思い出をつくらなければならない時があるような気がした。」
「クジラは圧倒的な生き物だった。小さなアリが生きる姿に目を奪われるように。僕たちは巨大なクジラに感動する。だがそれは、生命の持つ不思議さと言うより、一頭のクジラの一生を超えた果てしない時の流れにうたれているような思いがする。それは人間をも含めた生物の進化とか、地球とか、宇宙につながっていくような存在だった。」
「東京で忙しい編集者生活を送る彼は、何とか仕事のやりくりをしてアラスカの僕のたびに参加することになった。 中略 幸運にも彼はクジラと出会うことが出来た。 中略 クジラの行動が何を意味するのかはわからないが、それは言葉を失う、圧倒的な一瞬だった。 その時、彼はこういった「仕事は忙しかったけれど、本当にアラスカに来てよかった。なぜかって?東京で忙しい日々を送っているその時、アラスカの海でクジラが飛び上がっているかもしれない。そのことを知れただけでよかったんだ。」
ついでに、「はじめての冬」って章の12,13、14ページの過去と現在と未来に関する記述もすばらしい。長いのでメモ。
最後まで読み終わったらまたエントリーするかも。
長い旅の途上 | |
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好きです大好きです。星野道夫さんの文章!あたしもクジラの話の文章がめちゃくちゃ気にいってたんで、思わずコメントです。
早朝ブーンっって原ツキで走ってるとき、チベットに行ったときのこととかふと思い出すと、今日もやったろ。という気になります。
旅のちょっとした瞬間を日常で思い出すと、幸せな気分になります。
コメントありがとうございます。星野さんの文章の美しさとすとんと心に落ちる感じが好きです。
日常の生活で、ふと旅の一瞬の出来事や風景を思い出すと気合が入ったり、優しい気持ちになったり、旅は終わってからも続いていると実感しています。
Posted by: てら at December 15, 2005 01:24 AM